里親制度について

社会的養護
子どもは、親の温かい愛情のもとで家庭生活を経験しつつ育っていくことが最も望ましいものですが、私たちの身近には親の病気や虐待など様々な事情により家庭で生活することができない環境にある子どもたちがいます。
こうした子どもを公的責任で養育し、地域全体で子どもの養育を支える仕組みを「社会的養護」といいます。里親は社会的養護の一部を担っています。

里親養育の意義

◆特定の大人との愛着関係の下で養育されることにより、自己の存在を受け入れられているという安心感の中で、自己肯定感を育むとともに、人との関係において不可欠な、基本的信頼感を獲得することができる。
◆里親家庭において、適切な家庭生活を体験する中で、将来、家庭生活を築く上でのモデルとすることが 期待できる。
◆家庭生活の中で人との適切な関係の取り方を学んだり、身近な地域社会の中で、必要な社会性を養うと ともに、豊かな生活経験を通じて生活技術を獲得することができる。
(里親委託ガイドライン H23.3.30 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

里親の種類

里親の種類は下の4種類に分かれています。

①養育里親
保護者がいない児童や保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を養育します。児童が学校を卒業し、就職して自立するまで、または保護者が児童を養育する環境が改善して引き取れるようになるまでの間など、その児童に必要な期間、家庭の一員として生活します。また、保護者が病気などにより一時的に家庭で育てられなくなった時に短期間養育することもあります。

②専門里親
虐待などで心身に傷を負った児童や、非行などの問題がある児童、身体障がい、知的障がいまたは精神障がいがある児童に対し、温かい家庭と深い愛情、そして豊かな経験に基づいて養育を行います。3年以上養育里親としての経験がある里親、または、3年以上児童福祉事業に専門職として従事した経験があり養育里親の要件を満たす方が、専門里親養成の研修を修了することで専門里親として認定されます。

③養子縁組によって養親となることを希望する里親
児童と法律上の親子関係を結び、永続的な関わりをもって養育します。

④親族里親
保護者の死亡、行方不明長期入院などの理由により保護が必要となった児童を三親等以内の親族が養育する場合、その親族が里親としての要件を満たしていれば(経済的要件は含まれない)親族里親として認定されます。

里子の養育費、里親への手当等

里親の負担を軽減するため、また里子への充実を図るという意図から、国で定められている基準により一般生活費や教育費・里親委託手当などが支給されます。
そのほか、幼稚園費、学校給食費、見学旅行費、入進学支度金、就職・大学進学等支度費、里親受託支援費、医療費等があります。